最長のボクシングマンガ、『はじめの一歩』のパンチを数えてみた

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言わずと知れた史上最長のボクシングマンガ、『はじめの一歩』。
迫力のある構図とテンポの良い展開が魅力で、ファンの方も多いと思います。
 
先日、眠れないときにこの作品のコミックスを眺めていて、
「描いてあるパンチを数えたら眠くなるかな?」と思い、ひたすら数えてみました。
結果的にはまったく眠れず、数え続けるうちに朝になってしまいました。
 
その際、『はじめの一歩』では通算でどれぐらいの数のパンチが描かれてきたのだろう、という点が
気になったので、ちょっくら現行のコミックス全巻(97巻)に描かれているパンチの数を数えてみました。
 
 
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■全巻積んでみた
まずは本棚から全巻を引っ張り出して、平積みしてみました。
 
  ippo-01.JPG
あまりのボリュームに、始める前に心が折れかけました。
 
 
 
■ルール設定
気を取り直して、カウントする際のルールを設定しました。
(面倒な方は読み飛ばしてください。)
 
<パンチ数カウントのルール>
・話中および各話の表紙ページのみを対象とする
 (各巻の表紙、目次ページ、中表紙、話と話の間のページは含めない)
・「人(あるいは物)に向かって放たれているパンチの数」をカウントする
・効果線で表現されているパンチもカウントする
・空振り・寸止めもカウントする
・ビンタ・蹴りなどは含めない(拳を握っているもののみ)
・1コマで何発もパンチが放たれている場合には。拳の数をカウント
・殴る側の拳が描かれず、殴られる側の被弾の様子だけが描かれている場合も、
 「パンチ描写の延長」ととらえて1発とカウントする
・複数のコマ・複数の話に描かれていても、明らかに同一のパンチは1つとしてカウント
・擬音語によるカウントはしない (「描かれているパンチの数」という基準)
 
例えば↓のコマであれば、パンチ数は「4」としてカウントします。
  ippo-02.JPG
 
いろいろ設定していますが、実際には描写が重なったりアングルが遠かったりで、
パンチかどうか判断しづらい状況も多いので、「大体の感じ」でのカウントも多くなります。
 
 
 
■ページをめくってパンチを数えていくだけの簡単なお仕事
枠組みを決めたところで、早速1巻から順に数えていきます。
 
記念すべき1発目のパンチは、ボクシングではなく、梅沢くんによるイジメでしたw
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梅沢くんの容赦なき鉄拳制裁。一歩の打たれ強さの要因のひとつだったりして……。
 
 
初めはカウント作業の要領を得ず、途中でカウント数が分からなくなり、
長い長い第一話を何度も数え直すというしょーもない作業を繰り返しました。
(最初のほうの巻はコマが小さいため、余計に難儀しました。)
 
10巻目まで数えたところで、カウントしたパンチが1,738発
およそ200分が経過しており、1巻あたりの平均所要時間が20分。
最後までこのペースでいくと、最終的な所要時間は30時間超
 
この企画をやめたほうがいいんじゃないか?という考えが頭をよぎりましたが、
始めた以上はやり遂げよう、ということで継続することにしました。
 
とりあえず初日はここで終了。
 
 
 
■ラウンド2
日を改めてカウントを継続。
作業自体に慣れてきたのに加えて、11巻あたりから段々とコマが
大きくなっていくので、1巻ごとの処理が大分楽になってきました。
ボクシング以外のパートが増えるのも楽になった要因です。
 
11~20巻の1巻あたりの平均所要時間が13.6分
21~30巻は平均12.1分。
31~40巻は平均9.4分。
 
 
コツさえつかめば、あとは気力の勝負です。
数えても数えても減らないように見えるコミックスの山を前に、
コーヒーや糖分で気力をキープしながらひたすらカウント作業を行っていきます。
BGMは大事マンブラザーズの『それが大事』をエンドレスリピート。
 
 
負けない事 投げ出さない事 逃げ出さない事 信じぬく事
ダメになりそうなとき それが一番大事
 
 
作業ペースが安定して きたと思った矢先に、新たな敵が出現しました。
それは、宮田や板垣といった「手数が多いキャラ」。
彼らは試合になるたびにすさまじい拳の弾幕を披露してくれる上に、
あとになるほど長い試合をするようになるので、作業後半における難敵でした。
 
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 勘弁してくださいよ板垣さん。
 
 
こうしたキャラのカウントに難儀しつつ、3日目、4日目と作業を継続。
そしてついに……!
 
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(現行の)最終97巻終わったどー( `Д´)
 
 
長く苦しい戦いだった……。
作業日数は5日。総作業時間は20時間。
最後のほうはマンガでパンチドランカーになるんじゃないかと半ば本気で
心配しながらやっていましたが、なんとか終わらせることができました。
 
以下にカウント結果をご報告。
 
 
 
■カウントレポート
 
総パンチ数:10273発
 
なんと1万発を超えました。これだけたくさんのパンチを描いてたら、
作者の森川先生のペンにはパンチの精かなんかが宿ってそうですな。
 
<巻ごとのレポート>
巻数 パンチ数
1巻 270
2巻 154
3巻 161
4巻 183
5巻 168
6巻 167
7巻 195
8巻 204
9巻 101
10巻 135
11巻 66
12巻 113
13巻 58
14巻 120
15巻 83
16巻 92
17巻 121
18巻 107
19巻 211
20巻 57
21巻 109
22巻 90
23巻 99
24巻 134
25巻 82
26巻 68
27巻 121
28巻 37
29巻 113
30巻 78
31巻 57
32巻 98
33巻 39
34巻 97
35巻 59
36巻 131
37巻 60
38巻 98
39巻 137
40巻 44
41巻 125
42巻 60
43巻 157
44巻 95
45巻 44
46巻 82
47巻 93
48巻 181
49巻 43
50巻 105
51巻 87
52巻 63
53巻 84
54巻 137
55巻 108
56巻 34
57巻 52
58巻 128
59巻 144
60巻 118
61巻 74
62巻 176
63巻 53
64巻 104
65巻 173
66巻 240
67巻 71
68巻 33
69巻 112
70巻 51
71巻 108
72巻 41
73巻 144
74巻 71
75巻 67
76巻 57
77巻 66
78巻 83
79巻 68
80巻 86
81巻 76
82巻 125
83巻 72
84巻 41
85巻 80
86巻 187
87巻 227
88巻 117
89巻 174
90巻 142
91巻 134
92巻 119
93巻 71
94巻 236
95巻 48
96巻 55
97巻 34
 
パンチ数最多の巻は、コマが細かい第1巻でした。
(第1話の落ち葉つかみも数に含まれています。)
 
それ以外でパンチ数の多い巻は、大抵手数の多いキャラの
試合がある巻です。
 
 
<主要な試合ごとのレポート>
試合 パンチ数
一歩v.s.宮田スパー(1) 106
一歩v.s.宮田スパー(2) 82
一歩v.s.小田 98
一歩v.s.藤原 50
一歩v.s.オズマ 108
一歩v.s.小橋 105
一歩v.s.速水 208
宮田v.s.間柴 134
一歩v.s.千堂(1) 104
一歩v.s.伊達スパー 51
一歩v.s.沖田 44
宮田v.s.ジミー 19
一歩v.s.冴木 81
一歩v.s.ヴォルグ 232
一歩v.s.伊達 156
千堂v.s.ヴォルグ 76
一歩v.s.ポンチャイ 74
鷹村v.s.熊 6
千堂v.s.茂田 49
一歩v.s.千堂(2) 191
木村v.s.間柴 98
一歩v.s.真田 125
宮田v.s.アーニー 130
一歩v.s.リカルドスパー 8
伊達v.s.リカルド 96
一歩v.s.直道 131
板垣v.s.牧野(1) 16
一歩v.s.李 19
鷹村v.s.ホーク 251
猫田v.s.アンダーソン 38
鴨川v.s.アンダーソン 40
一歩v.s.島袋 213
青木v.s.今江 171
一歩v.s.沢村 272
鷹村v.s.イーグル 317
板垣v.s.牧野(2) 132
一歩v.s.唐沢 109
板垣v.s.今井 431
一歩v.s.武 177
間柴v.s.沢村 240
板垣v.s.星 40
一歩v.s.ジミー 96
一歩v.s.ゲドー 223
宮田v.s.ランディ 459
一歩v.s.ウォーリー 329
板垣v.s.唐沢 257
一歩v.s.小島 3
 
試合別のパンチ数は
1位:宮田v.s.ランディ   459発
2位:板垣v.s.今井     431発
3位:一歩v.s.ウォーリー  329発
 
でした。手数の多いキャラのカウントは本当に大変だった!
 
 
<結果に関する注意>
カウントのルールを確定したのが最初のほうの巻をやっている最中なので、
巻によってはカウント方法が異なっている可能性があります。
(そこをカウントし直す気力はありませんでした……。)
 
また、どうしても先述の「大体の感じ」でのカウントが入ってきますので、
結果についてはあくまで目安程度にお考えください。
 
 
 
【まとめ】
作業における最大の敵は、数えることそのものではなく、面白い場面でついつい中身を
読み始めてしまうことでしたw やっぱりはじめの一歩は面白い!
 
まだ読んだことのない方はぜひ読んでみてください!
  
 
<<富井 オーマ>>
 
 

 


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