【小ネタ】歌舞伎でよく言う○○屋って?

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歌舞伎を見ていると観客から「成田屋!」や「中村屋!」など「○○屋」という声が聞こえてきます。
しかし、舞台にそんな名前の人はいないし、何を言っているんだろう、
なんて思う人もいるのではないでしょうか。

実は歌舞伎役者には屋号と呼ばれる、歌舞伎役者の名字のようなものがあるのです。
市川團十郎には「成田屋」、中村勘三郎には「中村屋」など、
家系によって屋号が決まっていますが、
これは江戸時代の身分制度が影響してできたと言われています。

当時、歌舞伎役者は身分制度の一番下である「商」よりさらに下の扱いでした。
一般庶民でさえ苗字を名乗ることが許されていなかったので、
身分の低い歌舞伎役者が苗字を名乗るなんてもってのほか。
しかし市川團十郎なら「市川」が苗字のような気がしますが、あくまでこれは芸名。
「市川團十郎」で1セットという扱いだったのです。

徐々に歌舞伎の人気が上がってくると、歌舞伎役者は庶民の憧れの的になりました。
当時は、正月の芝居で市川團十郎に睨まれると、
その1年は無病息災だといわれるほど人気だったのです。
それほどの人気なのに身分が低いのはあんまりだと、
観客たちが苗字のようで苗字ではない屋号を考え、
それが定着して現在まで受け継がれています。

これらの屋号は出身地や元々の商売の店名から取ったものが多いと言われていますが、
それを選んだ理由は特にないのだそうです。


ちなみに、歌舞伎俳優の名前の多くも代々受け継がれており、
名前を継ぐと同時に芸風や得意な演目も受け継ぐとのこと。
また、特定の名前を経てようやく襲名できる名前もあるそうです。


屋号や名前を知っていれば、歌舞伎の見方が変わるかもしれません。
皆さんも一度、見に行ってみてはいかがでしょうか。

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