甲冑師の工房で室町時代の鎧に触ってきた

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福島県相馬市に甲冑(鎧)を一から作る、甲冑師の工房がある情報を入手。
日本刀鍛冶職人のお話を聞いたからには、
甲冑も行かなくてはと思い行ってみることにしました。

向かった先は、「たちばな甲冑工房」。甲冑師の橘 斌さんの工房です。
橘さんは社団法人日本甲冑武具研究保存会に認定される全国でも数少ない指定甲冑師の一人。
貴重な技術を持っている方です。
工房には展示室があり奥さんが案内してくれます。
 
※見学には予約が必要

 
ドアを開けると甲冑、甲冑、そして甲冑。
しかも戦国時代などで実際に使われていたものです。つまり本物中の本物。
博物館や美術館とは違い、ここでは実際に触ることができます。
 

展示室にある甲冑は、先祖代々家に伝わったものや収集したものだそうで、
江戸時代中期から幕末にかけての鎧、古くは室町時代の鎧もあります。
通常依頼された甲冑は展示していないそうですが、
お伺いしたときは偶然、修理が終わった甲冑が一体展示してありました。
 
 室町時代の鎧。もちろん触れられます!
 
 
 
一体作るのに三年
 
数千から一万点にもおよぶ甲冑の部品。
作るのには鍛冶、彫金、漆塗り、染色といったさまざまな技術が必要で、
そのすべてを一人で行っています。
また、ここで作られた甲冑はそのまま戦に出陣できる作りになっていて、
決め事がたくさんある昔の工法で作られています。
皮を丈夫にするため漆を何回も塗り、
絹糸で一枚一枚皮をつなぎます。
絹糸自体の染色も行い、部品と部品をつなぐ小さな鎖も一つ一つ手作り。
そのため、新しく甲冑を作るとなると三年はかかるとか。
  
 つなげている鉄の輪一つとっても手作り
 
 
 
修理の難しさ
 
「たちばな甲冑工房」では甲冑の修理も行っています。
新しく作るのとは違い、残っている部分に合わせて修理していくため、
糸の染色一つとっても時間がかかるといいます。
あまり新しくしすぎると甲冑の持っている価値がなくなるので、細心の注意が必要。
 
 歴史的価値を残しつつ修理が行われます
 
 
 
地元文化の担い手
 
全国から甲冑の制作や修理依頼があるほかに、相馬ならではの依頼もあります。
それは「相馬野馬追」に使用する甲冑の修理。
「相馬野馬追」とは国の重要無形民俗文化財に指定されている祭りで、
甲冑を装備し馬に乗り、行列を繰り広げたあとは数百騎の騎馬武者が旗を取り合う
戦国絵巻を再現したお祭り。
それには甲冑が必要不可欠で、それらの修理も「たちばな甲冑工房」で行われます。
実際に装備され激しく動くため、より丈夫に作る必要があるそうです。
 
こういった馬具の修理も行います
 
 

歴史に触れる
 
冒頭でも書きましたが、
ここでは本物の甲冑を間近で見ることができ、触ることもできます。
繊細な装飾や質感、そして重さなど日本文化を肌で感じることができ、
写真や画像では絶対に伝わらない、
いにしえの歴史を感じられる大変貴重な体験をすることができました。
 
これだけ間近で見られる機会はなかなかありません!
 
<<西 康三>>
 


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