日本刀作りの「初打ち」を見学してきた

2010年1月2日。
新年早々6:00に起床し、日本刀の初打ちを見学するために宮城県南部に位置する白石市にある、
日本刀鍛錬所に向かいました。
数年前にテレビで初打ちの様子を見て以来、いつかは行きたいと思っていたので早起きも苦になりません。
まずは説明が必要だと思います。
「初打ち」とは刀鍛冶が一年の仕事始めに行う神聖な儀式で、内容は日本刀作りの最初の工程、
玉鋼(※)を鍛えます。
※玉鋼(たまはがね)・・・砂鉄を原料に造られた質の良い鋼材で、日本刀を作るのに用いられる。
若干道に迷いながらも1時間半ほどかけ、到着したのは8:15頃。
8:00開始だったのですでに始まっていました。

こんな雪道を経て、日本刀鍛錬所に到着
澄んだ空気が漂う中、聞こえてくるのは炎を燃やす音だけ。
見ているのは6人だけでしたが、誰一人話すこともせず見守り続けています。
そんな時間が数分間続くと、炎を中からオレンジ色に輝く塊が取り出されます。
高温に熱された玉鋼です。


しっかり抑えられ、大きなハンマーで叩かれます。

ドン! キーンッ!

ドン! キーンッ!
一回叩くと
鈍い音で 「ドン!」
高音で 「キーンッ!」と
2種類の音が鳴り、不思議な感覚に陥ります。
そもそも鍛冶職人の仕事を実際に見たことがなく、
間近で見るとその迫力に感動すら感じてしまいます。
玉鋼を熱しては叩く作業を何度か繰り返し、盛り上がってきたところで初打ちは終了。
通常の作業ではなく儀式なので、一時間で終わりだったのです。
当然ながら初打ちは一年に一度。新年早々、来年が待ち遠しいです。
【おわりに】

ちなみに今回訪れた日本刀鍛錬所の方は、宮城県の無形文化財に指定されている刀匠。
名工の仕事を間近で見られ、大変有意義な早起きとなりました。
<<西 康三>>

関連する記事:1件
- 粋な30代になるための日本酒入門(2010年04月06日|佐藤ゲルニカ)

