戦前のデッドストックロマンスをレビュー!

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先日、古本屋にて戦前の本を手に入れました。
主婦の友の8月号付録らしいのですが……

 

 

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発行が昭和12年!!
これはレア。
ゆうに72年前です。
 
 


そして、この本の中に「純情マダム」という小説があるのですが、これが最高に面白かったです。
話は浪花節が好きな夫(雄吉)と嫌いな妻(春子)が、喧嘩をしたり実家に帰ったりしながら結局元さや。という、「えっ……落ちは?」みたいな話なんですけど

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とにかく挿絵がいい
 
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義母と上着を脱ぐ脱がないの話をするだけなのに無駄に1ページ。
 
 
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春子が「浪花節が嫌いだったけど、今まで我慢してやってきたんだよ!」とブチ切れるシーンの挿絵。いい味出してます。
 
 
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会社を早退して家に帰ったら鍵がかかっていたので、塀を乗り越える雄吉。ちなみに早退も仮病。
 
 
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春子が雄吉のために浪花節を習っているという話の中で「声が悪くなるからやめさせろ」とワガママ放題の雄吉。「おかへりあそばせ」は声が悪くなった春子のイメージらしい。雄吉の女心のわからなさは異常。




【まとめ】
このダメな男に尽くすみたいなのが昭和女子の萌えだったのだろうか。戦前女子は偉すぎます。
とにかく全編通して雄吉がまるでダメすぎる……!
読んでいてイライラしっぱなしでした。昭和初期ノスタルジーに浸りたかったのに、まさかのだめんず……! 春子のブチ切れも時代を超えて理解できてしまいました。
この小説のメッセージは「ダメな男に引っかかるなよ」という忠告なのだろうかと思わずにはいられません。



【おまけ】
これはグラビアに相当するのでしょうか。巻頭に載っている楠木正成のいい話における彼がイケメン過ぎて萌えました。
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<<佐藤ゲルニカ>>